SSブログ

サッカーミュージアムな日々 その41 [M@ミュージアムマネージャー]

サッカーを愛する皆様、ご機嫌いかがでしょうか。

「その40」の続きを書こうかと思ったのですが、
スポーツ紙や一般紙に気になることが書かれていたので
今日は、そのことを書きます。
タバコについてです。
来年のワールドカップドイツ大会では喫煙が許されるとのこと。
そして、日本国内の学校での分煙意識が低いとのこと。

2002FIFAワールドカップはWHOのスモーキングフリー(禁煙)
キャンペーンとの連携があって、
ワールドカップ史上初の禁煙を打ち出した大会となりました。
スタジアムではタバコすわないでねというキャンペーンです。

スタジアムでのタバコですが、
観客席での喫煙は日本国内の新しいスタジアムは
ほとんどが禁止されています。
でも国立競技場では、
節煙をお願いするとなっています。
この違い、なんだか分かりますか。
スタジアムのスタンドに屋根があるかないかです。
消防法による規制で
屋内か屋外かということなんですよ。

たしかに、オフトが日本代表監督時代には、
ピッチのベンチに灰皿を用意していました。
TOYOTA CUPでも監督に喫煙者がいましたし、
試合終了後の選手や監督への
囲み取材中でもタバコくわえた記者がいました。
陸上競技場併設のスタジアムの100メートル走路に
平気でタバコを足で踏み消していました。

本当はスタジアムには可燃物は持ち込めません。
旗も本当はダメ。
横断幕なんかもJFAが出すものなどは、
防炎処理がされています。
その昔防炎処理されていない装飾幕を
国立競技場の観客席グルリに設置して
消防署の許可が出ず、
この装飾幕を水でビショビショに濡らせることで
ようやく了解いただいたこともあります。
そこまで大変なのに
タバコをスタンドで公然と吸う人がいます。
間違ってます。

私はタバコが大嫌いです。
いまようやく嫌煙が社会的に認められて、
分煙化がすすみつつありますが、
スタジアムのどこでも、
たとえ喫煙所として設けざるを得ないコンコースでも
スタジアムに向かう、帰る道どこでも
タバコを吸うべきではないと考えます。
吸わない人に迷惑をかけて、
大量のゴミまでだして、
吸う必要があるのでしょうか?

タバコ吸ったことないのかと聞かれたら、
私は喫煙者でした。
その昔はロングピースを一日30本吸ってました。
なんでやめたのと聞かれることが時々あります。

それは、1980年代のこと

その当時私は、舞台監督という仕事をしており、
舞台で行われる様々なイベントの進行も
しておりました。
その中に毎年行われる「いく年くる年」という
TVイベントがありました。
大晦日に行われるあれです。
数年間、「いく年くる年」の仕事をして、
寝ないでそのまま元日、
国立競技場で「天皇杯」決勝の仕事をやるということを
続けていました。

「いく年くる年」の場所は渋谷文化村オーチャードホール。
後藤達彦プロデューサーの下で
東京国際映画祭の演出進行を
NHKホールでの第一回からやっていましたので、
映画祭自体が移動した文化村は勝手しったる劇場です。
(いつか機会があればこれも書きましょう)

「いく年くる年」の私の仕事ですが、
司会者の席の後ろにあるカウントダウン時計の係です。

10秒前9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 ハッピーニューイヤー!

のあれです。

皆さんはカウントダウン時計について詳しいですか?詳しいはずありませんね。
カウントダウン時計は、カウントアップ時計ではありません。
つまり、カウントダウンは0で終わってしまうのです。
では、0から先の新年はどうするんだということになります。
そこで私の出番です。
つまりその瞬間カウントアップに切り替えるリセットスイッチを押すということです。
私がこのボタン押さないと、新年が来ません。
−なんてことはないですが。
まあしかし、劇場に駆けつけた人も、
コタツにでも入ってソバ食べながらTVの前で見ている人も
重要なのは、
大晦日に時計がカウントダウンしていって
0:00:00になることであって、
そこから先新年が
0:00:01 23456と
カウントアップされていくことなんて、
どうでもいいことのひとつですね。
そのどうでもよさそうな仕事が
私の仕事でした。

「いく年くる年」はTVオンエアーもある
ビッグイベントですから
それなりに仕込みもあり、
オーケストラのリハーサルも入念に行われます。
その間ズーと私は、この司会席の後ろの
パネルの後ろに立ち続けています。

リセットスイッチを押すために。

当時の司会者は、宮崎美子さん。
数年間「いく年くる年」のたびに会っていました。
こういう仕事の合間には「待ち」があります。
台本のあわせだとか、カメラ調整とかの合間のことを
「待ち」といいます。
で、司会者と私はパネル一枚で隣り合いますから、
自ずと雑談が始まります。

宮崎さん「ヘーこんな風になっているんだ。複雑なんですね。」
私   「簡単な仕組みなんですけど、重要なところはアナログなんですよ。」
宮崎さん「この時計を日本中の人が見るわけだから、責任重大ですよね。」
私   「そうですね。一年が終わるんですからね」
宮崎さん「私も今年はあまりいい年じゃなかったから、来年はいい年にしないと」
    (離婚しちゃった年だと思う)
私   「それじゃー、僕がリセットボタン押しますよ。」
宮崎さん「ウマイナー」
私   「今日おわったら、食事でもしませんか?」

― 最後の一行はウソだけど、
この時もしこの一言言っていたら
違う人生もあったかもね。

さて2時間近い本番がはじまり、
途中からインサートするような形で
TVオンエアーも始まります。
もうかれこれ6時間以上、
私はリセットボタンを前に突っ立ていました。

なんでこんなことやってんだろ

リセットボタンを押した瞬間、
私はタバコをやめました。

どうぞ一度はサッカーミュージアムにお越し下さい。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。